不良ぎらいだけど面食いな私VS超イケメンな不良
9,複雑な下校時間
恋心を自覚したのに、想いを寄せる相手に好きな人がいそう、なんて……。
しかもその相手が大納得の
そんなふうにもんもんとしながら、やっぱり私には「タイマンしろ」と言ってくる
スクールカバンを持って階段に向かうと、ちょうど上から下りてきた大我先輩とはち合わせる。
「
「は、はい……」
顔を合わせただけで当たり前のようにさそってくれる大我先輩にキュンとしたいのに、すなおによろこべない。
しかし、おさそいをことわる気もまったくない。
恋心って
「あの……優衣先輩の様子、見に行ったんですよね?」
どうだったんですか、と聞く勇気はなかったけど、大我先輩は「あぁ」とくわしく答えてくれる。
「
「そ、そうなんですか……」
優衣先輩が遠藤先輩から離れたがってたって……なにがあったんだろう?
まぁ、もう解決したみたいだから、私が首をつっこむ必要もないんだろうけど……。
「……真陽は、俺の顔が好みなんだよな? 他に好みのやつはいないのか?」
「えっ!? 好みって……っ!」
一瞬想い人を聞かれたのかと思ってドキッとしたけど、あくまで顔の話だと自分を落ちつかせた。
それにしても、大我先輩がそんなことを聞いてくるなんて……。
「優衣先輩、ですかね」
「……女でもいいのか」
「え、はい、美形であれば。優衣先輩は女性版顔面国宝だと思っています」
「……その、顔面国宝ってやつ、他の男はいないのか?」
「大我先輩以外にですか? うーん……ここまでの
お顔が最高の芸能人は何人もいるけど、今まで最上級に興奮したな、っていう興奮の限界を大きく超えたのは大我先輩しかいない。
質問に答えるために、目に焼きつけてきた美のお顔たちを思い返すと、幸せに包まれて顔がだらしなく緩んだ。
でもなによりも眼福なのが、今となりを歩いている大我先輩で。
「今日も生きていてくださってありがとうございます……!」
大我先輩を見て、片手で口を押さえながら、あらためて湧き上がってきた感情を言葉にすると、いつも目をそらしてしまう先輩が、今日は……。
じっと、目を細めながら私を見つめてくる。
「え……た、大我先輩……? どうか、しました……??」
「……」
そんな、無言で見つめられたら……っ!
お顔が強くて! 顔は熱くなるわ鼓動は速くなるわで気絶しそうなんですが!
「……真陽。よそ見するなよ」
「はいっ! ……はっ」
え、なに、どういうこと……!?
“俺の顔だけ見てろ”ってこと!? よろこんで!!
っじゃなくて! 大我先輩がそんなリップサービスしてくれるわけないから、単純に先輩のお顔だけ見てないでちゃんと前見ろってこと!?
私はあわてて歩道の先に顔を向けて、大我先輩のお言葉にしたがった。
「あれ……? 大我先輩、あそこにいるのって
その結果、ブレザーを着たイケメンが前のほうにいるのを見つけて、大我先輩に話しかける。
「……確かに、……」
「一緒にいるのは、大我先輩のお知り合いですか?」
「……いや」
少なくとも高校生以上ではありそうな私服姿の男たちが、爽くんの近くにいるのを見て、めずらしい光景だなと思った。
けど、大我先輩は歩く足を早めて、いっそ走る勢いで爽くんがいるほうへ向かっていく。
私もそのあとをついていって、あれはチンピラにからまれてるのか……!と状況を認識し直した。
「――おい、弟になんの用だ」
「あぁ? こりゃまたイケメンなことで。しかも女連れかよ、ハハッ! ……むっかつく」
「に、兄さん、真陽先輩……!」
「爽くん、大丈夫ですか!」
目つきの悪いチンピラたちをにらみつける大我先輩のうしろで、私は爽くんに近寄って声をかける。
爽くんは眉を下げながらうなずいて、大我先輩の背中を心配そうに見た。
私は爽くんに「大丈夫ですよ」と声をかけてから、大我先輩のとなりにならぶ。
「あなたたち、目的はなんですか」
「きみ、けっこうかわいい顔してんじゃん? 俺らと遊ばねー?」
「JK? 俺たちについてくれば、そっちのイケメン2人には手ぇ出さないでやるぜ?」
「お前ら……」
「おことわりします。私、不良はきらいなので。彼にからむのはやめて、さっさと帰ってください」
「はぁ?」
顔をしかめたチンピラに、「手ぇ出さないでやるっつってんだろ」と腕をつかまれそうになって半身で避けた。
すると、さらにチンピラが顔をゆがめて私に近づいてくる。
もう一度警告しようと口を開いたら、となりの大我先輩が前に出て、チンピラの胸ぐらをつかんだ。
「やるなら、相手してやる」
するどい視線に、怒りのこもった声。
大我先輩は、ゾクッとする殺気を放った。
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