不良ぎらいだけど面食いな私VS超イケメンな不良

プロローグ

約400字(読了まで約1分)


 私、寺岡(てらおか)真陽(まひる)は望まない高校の入学式に参加するために、体育館集合という案内にしたがって、式の10分前に体育館へ入ったはずだった。
 紅白幕(こうはくまく)でかざりつけられた体育館の壁、舞台につり下げられた入学式の文字幕。
 そこまではいかにも普通の入学式といった様子で、ここが無人なら、私の暗い気持ちはいくらか晴れていたかもしれない。

 ――だけど。


「な……なんですか、これは……っ!?」

「オラァ!」

「すきあり!」

「次のやつ、かかってこい!」


 ひびく怒声(どせい)、学ラン姿でなぐり合う男たち、壁ぎわには死屍(しし)累々(るいるい)――は、言いすぎだけど。
 負傷(ふしょう)した様子で座りこんだり倒れたりしている男たちを見回して、私は目と口を大きく開いてしまった。
 学費も偏差値も最低レベルの滝戸(たきど)高校。
 不良だらけといううわさの、その学校の実態を……私はなめていたのかもしれない。


ありがとうございます💕

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