「そして誰もいなくなった」を読んだ話
謎は人間を惹きつける。
どんなに物語を辿る意欲が低下していても、ミステリー小説なら少し読みたくなるのだ。
ということで、アガサ・クリスティーの名作【そして誰もいなくなった】を読みました。
人生初。噂には聞いていた作品。
単純接触効果と同じですが、あちこちで何度も聞くと一度は読んでみたくなるんですよね、やっぱり。
物語の要点をまとめた解説が先頭にあったので、そのネタバレを食らってから本編に入ります。
沢山いる登場人物が体に馴染み、解説通り物語が動き出してくると、もう面白い面白い。
もちろんあれこれ予想はしても、最後まで犯人が分からなかったので、種明かし後はもう1回最初から読みたくなりました。
犯人がどうやって上手く隠れていたのか。事件が起きたときにどう行動していたのか。
それを振り返りたくなったんですよね。
【そして誰もいなくなった】は基本三人称視点で進むのですが、各登場人物の心情を一人称視点のように明かしています。
なので、犯人は登場人物たちの目だけじゃなく、読者の目も掻い潜っていくわけです。
舞台に集められた登場人物達は、全員罪にならなかった殺人(要約)を犯した過去がある。
ちょっと考え方や精神状態がおかしい人でも、なんら違和感なく登場人物達の中に紛れ込むんですよね。
だから私は、犯人らしいヒントも普通にスルーしてしまいました😇
そして同時期、私は「スーパーダンガンロンパ2」の実況動画を見始めていました。
どちらもクローズドサークルに登場人物達が閉じ込められ、どんどん人が死んでいく話。
なので、2つのお話の相違点が面白いなぁと思ったりも。
例えばダンロンの方は決まった1人の主人公を視点主として、主人公が見聞きしたことだけがプレイヤーにも伝わる情報となります。
なので、すべての情報が最終的に主人公の元に集まる。
しかし【そして誰もいなくなった】は10人の登場人物ほぼ全員が視点主となって、それぞれの考えや感じ方・出くわした出来事を各自で明かします。
ゆえに、すべてを知る人物は誰もおらず、それぞれの体験をした各自の視点を辿っていくことで、読者は物語の全容を知る。
さらに、10人の登場人物の中で仲がいい・または協力し合うグループがそれぞれ個別に出来上がっていくのも、三人称視点ならではの動きでした。
ダンロンの方は登場人物たち全員で団結・協力し合おうというふうに物語が進んでいきますから。
いえ、彼らも彼らで個別に動きますが、主人公から離れたグループの動きをプレイヤーが詳細に知ることはありません。
どちらも面白い物語であることに変わりはなく、それぞれ三人称視点・一人称視点ならではの物語構成・物語の魅せ方だなと思いました。
私も一人称・三人称それぞれの強みを生かした面白い物語をもっと書いていきたいなぁと。
体調が整って再び小説が書けるようになったら、ミステリー小説も書いてみたいです。
それに、ミステリージャンルに限らず、物語では「謎」を上手く扱っていきたいなと思いました。
謎は人間を惹きつける。上手く謎が散りばめられた物語は読者を魅了しますからね。